MAKUHARI-NISHI ANNEX
この計画は、1998年に自邸として竣工した「House in MAKUHARI-NISHI」の増築計画である。2017年まで19年間自邸として住んだ後、現在は長女夫婦が居住している。夫は大学でスペイン語を教え、妻は自宅でスペイン語教室を開いていたが、教室が手狭になりこの計画の検討がスタートした。既存の住居機能は大きく変えず、新たに語学教室と居住スペースを拡張したアネックスの計画である。敷地は、海浜ニュータウンの一画に位置する整備された区画で、南東16m、北西6mの両面道路に面する。建物のヴォリュームは、長さと高さを既存に揃え、横幅は外部空間と内部空間が同じになるプロポーションとした。アネックスは、日常的に居住スペースとして使用し、授業のある時間帯を教室として使用するため、語学教室への動線は外部から直接アクセスできるようにスロープを設けた。既存との間の外部空間は、採光、通風を確保しながら外部動線を配することで、中庭を持つひとつの建築のように互いの関係性を派生させる中心的なスペースとした。両面道路からの通り抜け、既存建物を繋ぐテラスやスロープ、アネックスの螺旋階段など建物内外の動線によって多様な職住一体の可能性を誘発する。そして、築20年の住宅がアネックスの計画によって新たな機能と価値を持つと同時に、地域とつながるきっかけになることを考えた。
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