TSUTSUMINO
この住宅は、千葉県野田市の江戸川を望む住宅地の一画に位置し、西側に緑地公園を介して河川敷が広がる眺望の良い環境である。クライアントの30代ご夫婦の要望は、大きく広がる江戸川の眺望を取込むこと、リビングと一体感のあるテラス、小さなカフェを2階に併設することであった。敷地から約500m続く河川敷までの地形断面から眺望を楽しむ展望テラスとして計画した。屋根スラブを展望用のスロープテラスとすると同時に、内部空間を緩やかに分節することを考えた。この住宅は、1階の平面とずらしてスロープテラスを計画することで、変化に富んだスケールを生み出し、スラブの隙間がつくる多様な開口部が、空や緑などの風景を切り取っている。この空間をよりシャープに昇華するため、コンクリートとガラスによるディテールを極力シンプルに徹した。そして、平面や断面のズレによって多方向へ派生する視線を集積した空間は、多様なシーンを創りだすシークエンス豊かな空間となった。
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